高気密高断熱住宅は、近年注目を集めている省エネ住宅です。
しかし、一方で「高気密高断熱住宅はカビが生えやすい」という声も耳にするかもしれません。
果たして、高断熱の家は本当にカビに悩まされやすいのでしょうか。
この疑問について、正しい知識に基づいて解説していきます。
□高断熱の家とカビの真実
高断熱住宅は、家の外からの熱の出入りを少なくすることで、冷暖房効率を高めます。
そのため、室温を安定させやすく、快適な住空間を実現できるというメリットがあります。
しかし、高気密高断熱住宅は、外気との遮断性が高いため、室内の湿気がこもりやすく、カビが発生しやすいという誤解が生じているようです。
実は、適切な換気システムと結露防止設計を行うことで、高断熱住宅でもカビの発生を抑えられます。
1:カビが発生しやすい環境とは?
カビが発生するには、温度、湿度、栄養源の3つの要素が揃う必要があります。
温度は20~30度、湿度は80%以上、栄養源は木材や埃などが挙げられます。
2:高断熱住宅におけるカビ発生の原因
高断熱住宅におけるカビ発生の原因は、主に結露による湿度上昇です。
高気密住宅では、外気との遮断性が高いため、室内の湿気が外に逃げるのが難しく、換気が不十分だと、室内の湿度が上昇しやすくなります。
特に、冬の時期は、室内の温度と外気の温度差が大きくなり、窓ガラスや壁などに結露が発生しやすくなります。
結露が発生すると、その水分がカビの栄養源となり、カビが発生しやすくなってしまうのです。
□高断熱住宅でカビを防ぐ具体的対策
高断熱住宅でカビを防ぐためには、以下の対策が有効です。
1:気密測定の実施
高気密住宅では、気密測定を行い、家の気密性を確認することが重要です。
気密測定は、住宅の隙間からどれだけの空気が漏れているかを測定するもので、気密性の高い住宅ほど、室内の湿気が外に逃げるのが難しく、カビが発生しやすくなります。
そのため、気密測定によって、家の気密性を把握し、適切な換気システムを導入することが重要になります。
2:こまめな換気
こまめな換気は、高断熱住宅におけるカビ対策の基本です。
換気によって、室内の湿気を外に逃がし、結露を抑制できます。
特に、浴室やキッチンなど、湿気が発生しやすい場所では、換気をしっかりと行うことが重要です。
3:暖房器具の使用制限
暖房器具の使用は、室内の温度を上昇させるため、結露が発生しやすくなります。
そのため、暖房器具の使用は控え、室温を適切に管理することが重要です。
特に、床暖房は、室内の湿度を上昇させるため、カビが発生しやすくなります。
床暖房を使用する場合は、こまめな換気を心がけましょう。
□まとめ
高断熱住宅は、適切な換気システムと結露防止設計を行うことで、カビの発生を抑えられます。
高断熱住宅でカビを防ぐためには、気密測定の実施、こまめな換気、暖房器具の使用制限など、具体的な対策を講じる必要があります。
これらの対策をしっかりと行うことで、快適で健康的な住空間を実現できます。