耳元を飛びまわる蚊に起こされる。
明け方の4時半。
もう蚊の季節か。
家を建てて10年以上経つが、
これからの暑い時期を家で過ごすのがちょっと嫌である。
大空間、大きな窓、吹抜け、風通しなど、家を建てた時には夢は広がる一方だが、
実際、エアコンに頼ってもなかなか快適な室内環境をつくるまで時間が掛かる。
そのうえ妻がエアコン嫌い。扇風機を回しても効果はそう感じられない…。
当時は見た目のデザインに拘って、暑さ寒さのことなどそれほど気にしてなかった。
今になって思うが、いくらデザインが良くても年中快適な室内環境でないと
居心地のいい家とは言い難い。
この実体感から設計するときの考え方は随分変わったし、
私が担当させていただくお客様には必ずこのことを話すようにしている。
突然ですが、皆さんはパッシブデザインという言葉をご存知ですか?
特別な機械装置を使わずに、建物の構造や材料、間取りの工夫などによって、
熱や空気の流れを制御し、一年を通して快適な室内環境を自然の力でつくりだす。
つまり、集熱・熱移動・蓄熱・通風・採涼・排熱・日射遮蔽・断熱気密、
これらの要素を建物にうまく取り入れ、暑く寒い時期でもいかに快適な室内環境を保てるか。
このような家づくりの手法を「パッシブデザイン」と言います。
WHALEHOUSEでも、このパッシブデザインは積極的に取り込んでいます。
いつまでも快適で居心地のいい空間に愛着をもって過ごしてもらうために、
デザインの追求だけでなく住み心地も考えた家づくりをお客様には提供したい。
データや国の施策に則った考え方ではなく、自分の実体感から気づいたからこそ、
お客様にも自信をもって最適格を提供できるのではないだろうか。