断熱性等級とは?住宅性能を読み解く重要ポイント

新築やリフォームを検討する際、快適な住まいを実現するために欠かせない要素の一つが断熱性能です。
断熱性能は、家の温度を安定させ、光熱費の削減や健康面にも大きく影響します。
しかし、断熱性能を表す「断熱性等級」について、その定義や等級ごとの違い、メリット・デメリットなどを理解している方は少ないかもしれません。
今回は、断熱性等級について分かりやすく解説し、最適な等級選びを支援します。

 

断熱性等級とは何か?等級ごとの違いを徹底解説

 

断熱性等級の定義と重要性

 

断熱性等級は、住宅の断熱性能を示す指標です。
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)に基づき、UA値とηAC値によって評価されます。
UA値は、住宅の熱の出入りやすさを表し、数値が小さいほど断熱性能が高いことを示します。
ηAC値は、冷房期における日射熱の室内への入りやすさを表し、数値が小さいほど遮熱性能が高いことを示します。
断熱性等級は、これらの数値に基づき、1~7の等級に分類されます。
等級が高いほど、断熱性能および遮熱性能が高いことを意味します。

 

断熱性等級のレベル1~7の違い

 

断熱性等級は、1から7までの7段階に分類され、数字が大きいほど断熱性能が高くなります。
等級1は最も断熱性能が低く、等級7は最も高くなります。
各等級は、地域区分ごとに定められたUA値とηAC値の基準を満たす必要があります。
地域区分は、日本の気候条件を考慮して1~8の地域に分けられています。
同じ等級であっても、地域によって基準値が異なるため、注意が必要です。

 

UA値とηAC値による断熱性能の評価

 

UA値は「外皮平均熱貫流率」、ηAC値は「冷房期の平均日射熱取得率」を表します。
UA値は、住宅の外皮全体(壁、屋根、窓など)を通して熱がどれだけ逃げやすいかを示す指標で、数値が小さいほど断熱性能が高いです。
ηAC値は、夏の太陽熱がどれだけ室内に入りやすいかを示す指標で、数値が小さいほど遮熱性能が高いです。
断熱性等級は、これらの値に基づいて算出されます。

 

地域区分による断熱性等級の基準値の違い

 

日本は気候条件の違いを考慮し、1〜8の地域区分に分けられています。
地域区分によって、同じ断熱性等級でもUA値とηAC値の基準値が異なります。
寒冷地である地域1は、より高い断熱性能が求められるため、基準値が厳しく設定されています。
一方、温暖地である地域8は、基準値が比較的緩やかです。

 

各等級における省エネ効果の比較

 

断熱性等級が高いほど、冷暖房の効率が向上し、光熱費を削減できます。
等級4を基準とした場合、等級5では約20%、等級6では約30%、等級7では約40%の省エネ効果が期待できます。
これは、年間の光熱費に換算すると、大きな金額の節約につながる可能性があります。

 

 

断熱性等級と住宅選びの関係性

 

高い断熱性等級を選ぶメリット快適な住環境と健康への影響

 

高い断熱性等級の住宅は、室温を安定させることで快適な住環境を提供します。
夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるため、冷暖房の負担を軽減し、光熱費の節約にも繋がります。

 

高い断熱性等級を選ぶデメリット初期費用と長期的なコスト

 

高い断熱性等級の住宅を建てるには、高性能な断熱材や工法が必要となるため、初期費用が高くなる傾向があります。
しかし、長期的な視点で見れば、光熱費の削減効果によって初期費用を回収できる可能性があります。

 

断熱性等級と光熱費の関係

 

断熱性等級が高いほど、冷暖房効率が向上し、光熱費を削減できます。
これは、UA値とηAC値が小さいほど、熱の出入りが少なくなるためです。
光熱費の削減効果は、地域区分や住宅の規模、ライフスタイルによっても異なりますが、年間数万円から数十万円の節約効果が期待できます。

 

断熱性等級と補助金制度の関係

 

国や地方自治体では、省エネルギー性能の高い住宅の普及を促進するため、断熱性等級の高い住宅に対して補助金制度が設けられています。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)認定住宅や長期優良住宅など、特定の基準を満たす住宅には、より高額な補助金が支給されるケースもあります。

 

断熱性等級とZEH・HEAT20の関係

 

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)は、年間の一次エネルギー消費量をゼロにすることを目指した住宅です。
ZEH認定を受けるには、断熱性等級5以上が求められます。
HEAT20は、高断熱住宅の基準を示すもので、等級6・7はHEAT20の基準を満たしています。

 

 

まとめ

 

断熱性等級は、住宅の断熱性能を示す重要な指標であり、住宅選びにおいて重要な要素の一つです。
等級が高いほど断熱性能が高く、快適な住環境、光熱費削減、健康増進に繋がります。
補助金制度の活用も検討し、賢く住宅選びを進めましょう。
快適で省エネな住まいを実現するためには、断熱性等級の理解が不可欠です。

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