一戸建ての家にエアコンは何台必要か?
<アンケート>4人家族の一戸建て、エアコンは何台必要?
新築一戸建てには、何台のエアコンが必要だと考えればいいのでしょうか?
『100人に聞いた住まいのトレンド調査「百一」』のアンケートによると、「4人家族のケースで新築一戸建てに引っ越すとしたらエアコンは何台用意するのか」という問いへの回答は、「全室に設置する」と答えた方が35%と一番多く、続いて「4台」が21%、「3台」は19%、「2台」が15%、一番少ないのは「1台」の10%でした。
初めから全室に設置するという方と、リビングと寝室(夫婦+子ども)に設置するという方が多いため、3台以上設置する方の割合が75%以上と大多数を占める結果になっています。
実際、みんなの家のエアコンは何台?
続いて掲示板サイトを見てみると、実際にエアコンを取り付けたご家庭でも「全室に設置している」という方と「リビングと寝室に合わせて3、4台設置している」という方が多いようです。
中には、LDKに2台という家も。
しかし「使う予定だった部屋が物置部屋になってしまった」「子ども部屋に設置したけど子供が小さいため、まだ必要がなかった」という理由から、実際に稼働しているエアコンはリビングだけ、寝室だけ、というご家庭も多い様子。
小さなお子さんがいるご家庭では「子供が小さいうちはリビングと、みんなで寝る部屋の2台だけ設置する」といった声もありました。
子供の成長に合わせてエアコンの購入を検討すれば、エアコンを使用するタイミングで取り替え時期になってしまう…といった失敗も避けられそうです。
結局、何台にする?エアコンの台数の決め方
設置費用や家具のレイアウトを考えると、最初から家に合ったエアコン台数を把握しておきたいところ。エアコンの最適な台数とは、いったい何台なのでしょうか?
台数の目安
一般的な戸建て、LDK+4部屋を基準に台数を考えてみます。
全部屋にエアコンを設置するなら、リビングに1台、その他の部屋に1台ずつ設置すれば、合計5台です。
最低限必要な部屋だけ…という場合は、リビング+(寝る時に使う部屋×人数)にエアコンを設置すれば良いでしょう。
しかし、実際には物件の大きさ・間取り・家族構成などによって必要なエアコン台数は変わります。
たとえば子供が小さいうちは家族全員で寝るというご家庭は、リビングと全員で寝る部屋の合計2台でいいかもしれません。
リビングと隣の部屋がつながっている家の場合は、2部屋の室温調整を大型エアコン1台でまかなえば、エアコンの設置台数を少なくすることができます。
台数を決める流れ
全室につけない場合、利用頻度の高い部屋や、空調が必要そうな箇所をチェック。どこの部屋にエアコンを設置したらいいのかを見極めましょう。
家の気密性や断熱性についても知っておくべきポイントです。住宅展示会などで確認できるので、忘れずに確認しましょう。
エアコンのランクや出力数はさまざまなので、家の作りに合わせたエアコン選びをして、設置台数を決めることをおすすめします。
室外機の大きさ・数にも注意
エアコンの設置時には、室外機にも注目。機器によって室外機の大きさが異なるので、購入の際はサイズ確認が必要です。
室外機のサイズを把握したら、家の設計段階で室外機の設置スペースを忘れずに確保するようにしましょう。
エアコンをすぐに設置しない場合も、将来的につけることを考えて室外機のスペースを確認しておくと良いでしょう。
エアコンの設置に台数制限はないため、沢山設置することも可能ですが、室外機もエアコンと同じ数だけ置くことになります。
敷地が狭く、設置スペースの確保が難しい場合は、マルチエアコンを使うのも一手。マルチエアコンを使えば、複数のエアコンの室外機が1つで済むため場所を取らず、外観のデザインを邪魔しないのでおすすめです。
1台でOKな全館空調とは
全館空調を使用すれば、エアコン1台だけの家を建てることも可能です。
全館空調とは、空調を一括管理できるシステムのこと。エアコンを小屋裏などに設置し、そこから空気の通る道を各部屋につなげて、温度管理や換気を行います。
家全体の室温が一定になるため、トイレや洋服部屋といった小部屋に行っても室温が変わりません。
急な温度変化がないため、浴室でのヒートショックや室内での熱中症の防止対策になります。
便利な全館空調ですが、各部屋にエアコンを設置するよりも初期費用がかかるのがデメリットです。
エアコン導入の費用目安は?
一般的な戸建て、4LDK(38坪)の全室にエアコンをつけた場合の導入費用を概算してみます。
- LDK18畳、20~30万円
- 和室6畳、8~15万円
- 夫婦の寝室8畳、15~20万円
- 子ども部屋6畳×2、16~30万円
合計…59~95万円
上記に加え、エアコンの設置工事や配管などにも費用がかかります。
設置費用の相場は12畳までのエアコンで約1万円、14畳以上で約1.5万円です。工事内容によっては追加料金が発生する場合もあるでしょう。
エアコン本体の価格については、量販店でまとめて購入すれば割引価格になる可能性があるため、その場合の費用は少し安くなります。
何台ものエアコンは不要?注目すべきは「断熱性」
家の性能が良くなると共に、エアコン台数を少なくする家が増えてきました。エアコンの台数が少なくても快適に過ごせる家とは、どんな家なのでしょうか?
各階1台のみでOKな一戸建てとは
各部屋にエアコンがあれば便利ですが、イニシャルコスト、ランニングコストは安く抑えたいですよね。
少ないエアコンで快適に過ごすにはエアコンの冷暖房効果を最大限に発揮させる必要があるため、家の性能が大きく関わってきます。
部屋の室温を一定に保つために、夏の暑さや冬の寒さに影響されない断熱性は欠かせません。室内の空気を逃がさない気密性も重要。
断熱性と気密性、両方の性能が優れている家であれば冷暖房効率が良いため、各階1台のみでも快適に過ごすことが可能。光熱費の節約にもなるでしょう。
太陽の光や風などを利用する「パッシブデザイン」を採用するのもおすすめ。
自然エネルギーを生かすことで、夏は涼しく冬は暖かい家づくりが可能なので、エアコンに頼らずに過ごすことができます。
高断熱・高気密でエアコン2台のみ。8月の実績は…?
エアコン2台の場合、真夏の室温はどうなるのでしょうか?
とある高断熱・高気密な一戸建ての例を参考に、8月の実績を見てみましょう。
38坪の総二階の一戸建て。エアコンを1階LDKと2階ホールに1台ずつ設置した家で、8月の室内温度と外気温度を4時間ごとに計測してみたところ、外気温度は朝6時からグングン上がっていき、14時には38℃を超える暑さになったのに対し、家の中はリビングだけでなく、トイレ、洗面場所まで常に26℃前後と一定に保たれているという結果になりました。
高断熱・高気密な家であれば、猛暑日にもかかわらずエアコン2台でも快適に過ごせることがわかります。断熱性と気密性は、快適でコストパフォーマンスの良い家づくりの要だといえるでしょう。