戸建ての頭金はいくら?住宅ローン控除との関係とケース別のメリット・デメリットも紹介

戸建ての頭金はいくら?住宅ローン控除との関係とケース別のメリット・デメリットも紹介

そもそも頭金とは?

頭金とは、ローンを使って住宅を購入する際に最初に現金で支払う、住宅ローン借入以外の方法で用意するお金のこと。住宅の価格から住宅ローンの借入額を引いた金額ともいえます。

頭金を多く準備すれば、その分をローンの総額から差し引くことが可能。その結果ローンが少なくなり、月々の支払いを減らしたり、ローン期間を短くしたりすることができます。また、ローンが減ることで、金利負担も減らせるでしょう。

例えば4,000万円で戸建て住宅を買おうとする場合、頭金で500万円を支払えば住宅ローンは3,500万円になりますし、1,000万円支払えばローンが3,000万円になります。

頭金と間違いやすいものに手付金があります。

手付金は契約時に売主に納めるお金のことで、契約の証拠という役割があり、買主が手付金を放棄すれば契約の解除が可能となります。

手付金は購入代金の5~10%程度が一般的ですが、この金額は売主や物件により異なります。また、契約時に支払った手付金を頭金に充当するケースもあります。

戸建てを購入するときに必要な頭金の相場

戸建て住宅を購入する場合、頭金を支払うためにどれくらいの金額を用意しておけばいいか分からない方も多いことでしょう。ここでは頭金の相場と、頭金ゼロでの住宅購入についてご紹介していきます。

データでわかった、みんなの頭金の相場

「2020年度 フラット35注文住宅利用者調査結果データ」によると、頭金の相場は611.7万円。世帯年収の平均は594.2万円となっています。

また、suumoのデータでは、一戸建ての頭金として1,500万円以上を支払っている割合が26%と最多で、次が100万円~500万円で25%程度、500万円~1,000万円が15%程度となっています。

※参照元:
住宅金融支援機構「2020年度 フラット35注文住宅利用者調査結果データ」 
https://www.jhf.go.jp/files/400357456.pdf

SUUMO「住宅購入の頭金はいくら必要?みんなの平均額公開」
https://www.suumocounter.jp/fp/article/home/initial-cost.html
(2019年新築マンション契約者動向調査(首都圏))

頭金ゼロで買うことは可能?

以前は住宅ローン利用には頭金が必須でしたが、最近では頭金ゼロでも住宅購入が可能なケースもあります。頭金を支払わないことで月々の支払額は増えてしまいますが、それでもいいという場合は頭金なしで住宅ローンを組むことが可能です。

頭金と住宅ローンの関係

頭金が多ければ多いほど住宅ローンを少なくできるため、その分月々の返済額を減らすことが可能です。月々の返済額を減らさず返済期間を減らすこともできます。

しかし、頭金を多く支払った結果、手持ちに残る現金が減ってしまったり、頭金を貯めるために住宅購入が遅くなるデメリットがあるのも事実です。

このように、頭金の多い少ないは、住宅ローンに影響を与えます。ここからは戸建ての頭金について、少なくする場合、増やす場合のメリット・デメリットについてお伝えしていきます。

戸建ての頭金を少なくするメリット

戸建ての頭金を少なくするメリットとしては、以下の点が挙げられます。

若いうちに購入することで老後資金が安泰になる

頭金がまだ貯金できていない若いうちに住宅を購入すれば、ローンを早めに完済できるため、その後の資金を老後資金にまわせます。

住宅ローンを支払う期間は最長で35年。少しでも早いうちに住宅を購入すれば、その分早く支払いを終えられ、老後も安泰に過ごせるでしょう。

住宅ローン控除の適用額が増える

住宅を購入する場合、住宅ローン控除を利用することも可能。頭金が少ない場合、その分住宅ローン分が大きくなるため、頭金が多い場合よりも控除額が多くなります。

住宅ローン控除とは、住宅ローンで家を購入した場合に10年、または13年間にわたって「年末時点での住宅ローン残高の一部」が所得税から控除される制度のこと。住宅ローン控除の適用を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 減税を受ける人自身が、住宅の引き渡し日から6ヶ月以内に居住すること
  • 特別控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
  • 購入した住宅の床面積が40㎡以上、床面積の2分の1以上が自身の居住用であること
  • 対象となる住宅に対して10年以上のローンがあること
  • 住宅を居住用にした年と、その年の前後2年の計5年間に、長期譲渡所得の課税の特例などの適用を受けていないこと
  • 期間を「13年」に延長するには2021年11月末までに契約し、2022年12月末までの入居期日を満たしていること

戸建ての頭金を少なくするデメリット

戸建ての頭金を少なくするデメリットとしては、以下の点が挙げられます。

合計で支払う利息額が高くなる

住宅を購入する際にかかる利息は、借入金にのみかかってくるものです。頭金が少ないとその分借入金の割合が増え、結果的に合計で支払う利息額が高くなってしまいます。

将来住宅が値下がりしたときのリスクが高くなる

将来住宅が値下がりしたときのリスクが高くなることもデメリットの一つ。頭金が少ないとその分借入額が多くなり、万が一値下がりしたときは物件の市場価値がローン残高を下回ってしまう可能性があるので注意しましょう。

戸建ての頭金を増やすメリット

戸建ての頭金を増やすメリットとして、以下が挙げられます。

月々の返済額を減らせる

頭金を増やせば、その分ローンの金額が減るため、月々の返済額が減らせます。

早く完済できる

月々の返済額を減らさなければ、頭金の分早く完済することが可能になります。

総支払額を減らせる

借入金が減るため金利負担が減り、結果的に総支払額を減らすことが可能となります。

金利引き下げを受けられる場合がある

金融機関等の独自の住宅ローンには、頭金が多いほど金利の引き下げが受けられるものもあります。

ローン審査に通りやすくなる

頭金を用意することで自己資金があるという証明になるため、金融機関からの信用が上がり、ローン審査に通りやすくなるでしょう。

貯蓄グセがつく

付随的なメリットとして、貯蓄グセがつくことも挙げられます。一度マイホームのために家計を見直し貯蓄ができるようになると、その後の教育資金、老後資金の貯蓄にも好影響を与えてくれるでしょう。

戸建ての頭金を増やすデメリット

頭金を増やすデメリットには以下の点が挙げられます。

手元の現金が減り、急な出費に対応する資金的余裕がなくなる

頭金を支払えば、その分手元の現金が減ってしまいます。

住宅を購入した後も子供の教育費などは掛かり続けますし、怪我や病気により急な出費が必要になることもあるでしょう。頭金を入れても十分な自己資産が残る場合は問題ありませんが、そうでない場合はいざという時に対応できなくなる可能性があるため、注意が必要です。

頭金を貯めることで住宅の購入が遅くなる

頭金を貯めてから住宅を購入しようとした場合、その分住宅の購入が遅くなり、完済年齢もその分伸びてしまいます。

また、貯めている間に支払っている家賃分がかかってきてしまうため、その点も考えて住宅購入を検討するようにしましょう。

住宅ローン控除の適用額が減る

頭金を払ってしまうとその分住宅ローン控除の適用額が減ってしまうため、それだけ受けられる恩恵が少なくなってしまいます。

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