ドッグランのある一戸建て、必要な設備と広さは?
戸建てのドッグランに必要な広さ
ドッグランの広さには決まりがありませんが、目安としては
- 小型犬の場合:100m²
- 大型犬の場合:500m²
程度が理想的です。
ただし、走ることを目的としない場合は、ここまでの広さが確保できなくても問題ありません。
リビング・ウッドデッキ・庭を一体化すると、庭自体が小さくても広々とした空間をつくることが可能です。
庭だけでなく建物の周囲をドッグランとして使うことで、ワンちゃんが走り回れるスペースを確保するという手も。他に、屋上テラスをドッグランとして使うというアイデアもあります。
戸建てのドッグランに必要な設備
大切なワンちゃんが安全に遊べるドッグランを作るために、必要な設備を紹介します。
フェンス
ドッグランを作る際、周りを囲うフェンスは必須。ワンちゃんが脱走してしまわないように、十分な高さをとる必要があります。
小型犬~中型犬の場合は60~120cm以上、大型犬やジャンプ力が高い牧羊犬の場合は180cm以上が必要。
ワンちゃんが体当たりしても壊れない、強度がしっかりしたものを選びましょう。
種類としては、網目が細かいネットフェンスや外がよく見えるメッシュフェンス、外から見えにくい目隠しフェンスなどがあります。
ネットタイプやメッシュタイプを選ぶと、開放的で明るいドッグランを作ることができます。隙間が大きいとワンちゃんがすり抜けてしまうので気をつけてください。
もしドッグランが道路に面している場合は、隙間が少なくプライバシーを守れる目隠しフェンスを選びましょう。
スロープ
リビングやウッドデッキから自由に行き来できるタイプのドッグランであれば、段差部分にワンちゃん用のスロープを作ってあげましょう。
特に小型犬の場合、人用の段差から飛び降りると足腰を痛めたり、脱臼してしまったりすることがあります。また、今は平気な段差でも、歳を取るとつまずくようになるかもしれません。
いつまでもワンちゃんが快適に楽しく過ごせるように、将来を見据えた設備を用意することをおすすめします。
リードフック
ワンちゃんのリードを固定するためのリードフックを取り付けましょう。「家の敷地内だからリードは必要ない」と思うかもしれませんが、少し目を離した隙に脱走してしまうことがないとは言えません。
ワンちゃんと飼い主さんの両方が辛い思いをしないよう、少しでも目を離す場合はリードを繋いでおくようにしましょう。
床材
ワンちゃんが安全に楽しく駆け回れるドッグランにするためには、滑りにくく、足腰に負担をかけない床材選びが重要です。ドッグラン向きの床材について紹介します。
天然芝
植物でできた天然芝は、芝の下が土になっているため柔らかく、ワンちゃんの足腰にも優しい床材。飼い主さんにとっても自然を感じられて気持ちいい素材ですし、四季によって見た目が変化するのも味わい深いですよね。
難点としては、芝刈りや水まき、害虫駆除など、日々のメンテナンスに手間がかかることが挙げられます。ただ、きちんと管理すれば他の素材よりも長持ちしますし、導入時にかかる費用も少ないため、まめにお手入れできる方にはおすすめです。
人工芝
人工芝は、日々のメンテナンスがほとんどいらないため、維持にかかる費用や時間を節約できるのがメリット。天然芝と違って害虫の心配をしなくて良いですし、冬場でも鮮やかな緑色を保つことができます。
デメリットは、導入時にコストがかかること。また、夏場は熱を蓄えて高温になりやすいため、日よけをつけたり水まきをしたりと、ワンちゃんが熱中症にならないよう気をつける必要があります。
ウッドチップ
木材を細かく砕いたウッドチップは、虫やカビ対策に効果的。人工芝と比べて安いコストで導入できますし、ワンちゃんの足が汚れにくいのもありがたいですね。
ただし、ウッドチップは割れやすいのが難点。割れてできたトゲがワンちゃんの足に刺さってしまう危険性があるため、状態に十分気をつける必要があります。
また、ウッドチップは一つ一つが小さい粒なので、風が強いと飛んでいってしまうことも。近所迷惑にならないよう、こまめに水をまいて対策しましょう。
バークチップ
バークチップは松などの樹皮からできたチップで、ウッドチップより割れにくくて安全。防虫・消臭効果も高い素材です。
ただ、その分ウッドチップより導入費用が高くなってしまうのがデメリット。ウッドチップと同じく風で飛ばないように水まきをする必要があるのですが、元々の色が濃く変色しにくいため、濡れているかどうかが分かりづらいことがあります。
ドッグランにあると便利な設備
ドッグランに加えて、以下のような設備があるとワンちゃんも快適&飼い主さんも便利です。
水道設備
水道を引いておくと、ドッグランの手入れやワンちゃんのシャンプーなどに使えて便利。近くにウォーターボウルを設置しておけば、こまめに水が飲めて、ワンちゃんの熱中症対策にもなります。
日よけ
サンシェードや屋根を設置すると、直射日光が強くて暑い日やちょっとした雨の日もドッグランで遊べます。ワンちゃんはもちろん、飼い主さんが一息つく場所にもなりますね。
「そこまでできないよ」という方は、小さいテントやキャンプ用のテーブルを置くだけでも、小型犬にとっては十分な日陰スペースになります。
トイレスペース
トイレスペースを決めておくと、ドッグランの掃除が楽になります。
一戸建てにドッグランを作るとしたら、費用は?
一戸建てにドッグランを作る際にかかる費用は、広さや床材の種類によって異なりますが、大体の相場は以下のとおりです。
- 庭の一部をドッグランにする場合:50万円~100万円
- 庭全体をドッグランにする場合:100万円~200万円
導入費用を節約するため、DIYにチャレンジするという方法もあります。全てDIYならば、数万円~30万円程度あればドッグランが完成します。
ドッグランを作る際に最も難しいのが、床材の基礎になる部分です。この部分をDIYで行うと、地面を平らにするのが難しく、ワンちゃんの足に負担をかけてしまうことになりかねません。コストを削減しつつ安全なドッグランを作りたいなら、基礎部分の工事はプロにお願いし、ウッドチップをまいたり日よけを用意したりといった簡単な部分をDIYで行うとよいでしょう。
ドッグランのある一戸建て事例
四季の変化を楽しめる!天然芝のドッグラン
炎天下の夏も高温になりにくく、ワンちゃんの足腰への負担も少ない天然芝のドッグラン。草取りや水まきといった日々のメンテナンスが大変ですが、季節によって表情が変わるのを楽しむことができます。
ふわふわで気持ちいい!ワンちゃんの足腰に優しいドッグラン
人工芝の下に山砂を丁寧に敷くことで、ワンちゃんの足腰に負担をかけにくいドッグランを実現。人が歩いてもふわふわで気持ちいい仕上がりになりました。
大型犬2匹が自由に駆け回れる、開放的なドッグラン
スチールの頑丈なメッシュフェンスで庭を囲い、クッション性と透水性のある人工芝を敷くことにより、庭全体が開放感のあるドッグランに。大型犬2匹が元気に走り回れる、広々とした空間が実現しました。
ウッドデッキをそのままドッグランに!
ウッドデッキをフェンスで囲えば、小型犬向けのドッグランが完成します。リビングからそのまま出入りできるのでラクラク。屋根を設置しているため、日差しが強い日やちょっとした雨の日も外で遊べます。
ワンちゃんが安心して過ごせる、おしゃれドッグラン
アーリーアメリカン調の白いフェンスを設置した、明るい雰囲気のおしゃれなドッグラン。ワンちゃんにとっての目隠しの役目も果たすため、通行人を見ると警戒して吠えてしまうワンちゃんも安心して遊ぶことができます。
都心の家でも思い切り遊べる!屋上テラスのドッグラン
屋上テラスをドッグランにすることで、土地の狭い都心の家でも、ワンちゃんが思い切り遊べるスペースを確保。ワンちゃんと飼い主さんの熱中症対策として、防水サンシェードを取り付けました。さらに、水遊びやお手入れなどさまざまに使える水道も完備。水受けがあるため、床材に直接水がかからず長持ちします。
設置前に知っておきたい、ドッグランのメリットとデメリット(注意点)
戸建てにドッグランを設置する際のメリットとデメリットを紹介します。両者とも把握した上で設置を検討するようにしましょう。
ドッグランのメリット
ワンちゃんの運動不足が解消できる
自宅にドッグランがあれば、忙しくて散歩に行けない日も運動できるため、ワンちゃんの健康につながります。道路や通行人を気にすることなく思いっきり走り回れるため、ストレスも解消でき、丈夫なワンちゃんに育ちます。
ワンちゃんが安全に遊べる
車やバイクが通る道でのワンちゃんとの散歩には、交通事故のリスクがつきもの。ノミやマダニに刺されたり、ごみや植物を誤って食べてしまう危険もあります。自宅敷地内の管理されたドッグランならそういったリスクも少なく、安心してワンちゃんを遊ばせることができるでしょう。
ドッグランに行く時間と費用の節約
大きな公園などに併設された有料のドッグランにワンちゃんを連れて行くという方法もありますが、連れて行くためには時間と費用がかかりますよね。自宅にドッグランを作ってしまえば、好きな時間にタダで遊ばせてあげることができます。
ドッグランのデメリット
導入費用がかかる
メリットでお話したとおり、戸建てにドッグランを作れば有料ドッグランに連れて行く必要がなくなります。その代わり、導入時にはまとまったお金が必要。自宅ドッグランを使う頻度が低い場合は、その都度有料ドッグランに足を運んだほうがお得かもしれません。
メンテナンスが大変
天然芝の床材を使う場合、水まきや草取り、害虫駆除といった日々の手入れが大変です。人工芝の場合でも掃除をして清潔に保たねばなりませんし、夏場は表面温度を下げるための水まきが必須。面倒くさがりな方や忙しい方は、ドッグランの設置を慎重に考えたほうがいいかもしれません。