素材の強さを損なわない接合システム
いくら強い部材を使用していても、その強さが活かされない構造では意味がありません。これまでの大地震や災害で家が倒壊した原因の大半が、柱や梁などの接合部だと言われています。SE構法では独自開発の「SE金物」で柱と梁とを接合し、断面欠損の少ない、耐震性能に優れた構造を実現しています。
なぜ、家の要ともいえる構造の接合部に“弱さ”は生まれるのでしょうか?
一般的な木造住宅は、柱や梁をホゾ継ぎで接合するため断面欠損を招き、構造材本来の強度を低下させてしまいます。建物の崩壊をも引き起こす接合部の弱さは主にこの断面欠損が原因と言われています。
それに引き換え、SE構法では、接合部の断面欠損を極力少なくするために、独自の金物を用いた接合システムを採用しています。木材には薄いスリット加工をするだけで施工が可能となり、揺れに耐えうる木材本来の強度が維持された接合方法なのです。
在来工法の最大約5倍の引き抜き耐力
次に建物が崩壊する理由としてあげられるのが、地震時の突き上げや横揺れの外力に対し柱に働く「引き抜きの力」によるものです。もともと素材の異なる土台と柱を釘や金物でつなぎ合わせることで地面と建物を固定しているのですが、直下型地震のような突き上げには到底耐えうるものではありませんでした。
SE構法では、阪神淡路大震災の経験から、土台から柱が抜けないように柱と基礎とをSE金物で強固に接合する方法を考案しました。その耐力は、実に従来の工法の約9.5倍。地震など、横からの力による引き抜き現象に対して圧倒的に強い性能を持つ柱を実現させています。
100年後も同じ強さを持つSE金物
SE金物には、表面をカチオン電着塗装で何重にもコーティングして驚異的な耐久性を実現しています。約600時間かけた塩水噴霧試験においても、表面の一部に極小な劣化は見られたものの、ほとんど試験前の状態と同じ品質レベルを保ちました。この試験時間は、標準地域で168年、塩害地域なら100.8年分の負荷をかけた状態に相当し、強度が永続的に保つことを示しています。