安心して住むために、自宅の耐震基準を確認する方法

耐震基準は「建築確認通知書」で確認できる

耐震基準とは、一定の強さの地震が起きても倒壊または損壊しない住宅が建築されるよう、建築基準法で定められている基準のこと。

耐震基準には新耐震基準と旧耐震基準があり、1981年(昭和56年)6月1日より前の建物は旧耐震基準となります。

では、どのように建物の耐震基準を調べるのか。よく耳にする「築年数」ではなく、建物の建築確認が済んでいることを証明する書類「建築確認通知書」が受理された日によって旧耐震・新耐震基準なのか知ることができます。

建物の着工前には、必ず法令に沿っているかどうかの審査を受ける必要があります。

審査にて問題ないことが確認できれば、各市区町村に確認が済んでいる旨の書類を提出し、建築確認申請を行います。

申請が受理された場合にのみ発行されるのが建築確認通知書で、一般的には依頼先の建築会社が保管しておき、引渡し時に購入者に渡されます。

建築確認通知書は家の売却時にも必ず必要となり、紛失した場合の再交付ができないので慎重に保管しておきましょう。

万が一、建築確認通知書を紛失してしまった場合には、2つの方法で代用ができます。

1つ目は「建築計画概要書」を発行してもらう方法。建築計画概要書とは、建築物の概要や建築に関する各検査履歴が記載された書類で、建築確認番号・検査済番号・取得年月日が記載されています。

建築計画概要書は市町村の建築指導課の窓口で一通100円~500円にて発行してもらえます。

閲覧のみであれば無料でできる自治体もありますが、閲覧したものの写真撮影はできない・コピーはできないなど自治体によって対応が異なるため、お住いの自治体に確認しましょう。

2つ目は「台帳記載事項証明書」を発行してもらう方法。台帳記載事項証明書とは、建築確認通知書と検査済証の記録が記載されている書類のことで、こちらも市町村の建築指導課などの窓口で発行ができます。

発行手数料は一通200~400円が相場ですが、各自治体によって異なります。

台帳記載事項証明書は、台帳自体が現存していない場合は発行ができず、また調査の状況によっては検査済証交付年月日が判明しない可能性もありますので注意が必要です。

自分が住む家の耐震基準が旧耐震なのか新耐震なのかを確認する方法は上記の通りとなりますが、旧耐震と新耐震にはどのような違いがあるのでしょうか。

旧耐震基準とは1981年6月1日より前の基準

旧耐震基準は、震度5の地震で建築物が倒壊・崩壊しないことを基準として定められていました。

しかし、甚大な被害となった1978年に発生した宮城県沖地震は震度5だったにも関わらず、人的被害の多くが倒壊したブロック塀や門柱、家屋等の下敷きになってしまったことによるものだったのです。

新耐震基準とは現在の基準

宮城県沖地震の被害をきっかけに、1981年6月1日以降、震度6強~7程度の大地震でも建物が倒壊しないように定められたのが新耐震基準です。

震度5強程度の地震ではほとんど損傷なく、震度6強から7程度の大地震でも壁にひびが入るなどの被害はあったとしても、建物の倒壊など命に危険があるような大規模な被害は生じないよう基準が強化されました。

耐震等級は3ランクに分けられる

耐震等級とは、2000年に施行された住宅品質確保促進法の中で、住宅性能表示制度における地震に対して建物の強度を表す基準のことです。

1995年に起きた阪神・淡路大震災で多くの木造住宅が倒壊したことをきっかけに、耐震基準が更に強化されました。

耐震等級は1~3までの3つに分けられており、戸建て住宅の場合は建物の耐震強度を耐震等級で表すことが多く、等級2以上が大半を占めています。

住宅の耐震等級において、地震に耐えるための耐力壁が多く使われていることや、耐震壁の位置、床や基礎の強度や接合部の強度が重要となります。

自宅の耐震等級を確認したい場合は、「住宅性能評価書」を確認しましょう。

住宅性能評価書とは、国土交通大臣に登録した第三者評価機関が住宅の性能を公平な立場で評価し、その結果を示した書面のこと。

建物の設計に対する「設計住宅性能評価書」と工事完了後「建設住宅性能評価書」に分かれており、より安心できるのは設計段階・建設中・完成した後にそれぞれ評価される「建設住宅性能評価書」です。

ただし、この書類の作成は必須ではないため作成されていないこともあり、作成に別途費用が発生する場合も。

設計住宅性能評価書の相場が10万円ほどであるのに対し、建設住宅性能評価書の相場は20万円と高くなります。

住宅性能評価書は、ハウスメーカーや工務店に依頼すると発行してもらうことができます。

今の自宅の耐震等級がどうやっても調べられないという場合、1981年6月1日以降に建築確認を受けていれば、新耐震基準により耐震等級1以上は最低限保証されていることが分かります。

耐震性能は各ハウスメーカーのホームページなどに記載されていることが多いので、「耐震性能3」などの記載があるか確認してみましょう。

耐震等級1

耐震等級1は、建築基準法による新耐震基準と同等の強さの耐震性があることを示しています。

震度5強程度の地震では大きな損傷はなく、震度6強~7の地震では倒壊しませんが、修繕が必要になるケースが多くあります。

耐震等級2

耐震等級1の1.25倍の地震に耐えることができ、震度6強~7の地震では多少の修繕が必要になる耐久性ですが、2016年に起こった熊本地震では2度の震度7の地震において半壊した建物もありました。

耐震等級3

耐震等級1の1.5倍の地震に耐えることができ、地震への耐久性が最も高く、震度6強~7の地震が起きても倒壊せず、目立つような大きな損壊もなく、軽い修繕で済むことがほとんどです。

消防署や警察署など、防災拠点になりうる建物や施設は耐震等級3とされています。

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