車持ちの戸建てのメリット
車の維持費以外にも、戸建て、マンションそれぞれにメリットとデメリットがあり、どちらを取るのかはあなたの生活スタイルに合わせて判断する必要があります。
車持ちが戸建てに住むメリットには、下記のようなものが挙げられます。
駐車場代が掛からない
戸建ての場合、敷地内に駐車スペースを確保すれば駐車場代は掛かりません。
駐車場の土地代やガレージ代などはローンや固定資産税に盛り込まれます。
柔軟性が高い
マンションだと既存の駐車場を使用することになりますが、戸建ての場合は建て売りでなければ敷地内のどこに・どのくらいの広さの駐車場を設置するかをある程度自由に決められます。
現在所有している車、またはこれから購入予定の車に合わせた駐車場を作れるので、マンションに比べると柔軟性が高いといえます。
車へのアクセスがラク
戸建ての場合は駐車場と玄関が離れていないので、簡単にアクセスできます。
駐車場の位置によっては庭の窓から荷物を運び入れることもできるので、大量に買い物をした時や荷物が多い時も簡単に往復が可能です。
EV車のコンセントを自由に設置できる
EV車を所有している、または今後EV車の購入を検討しているという方は「EV車用のコンセント」を設置する必要がありますが、戸建てなら好きな場所にコンセントを設置できます。
マンションだと設置位置が決まっていたり、そもそもコンセントが設置されていない場合もあります。
車持ちの戸建てのデメリット
車持ちが戸建てに住むデメリットは下記のとおりです。
設備費用が掛かる
「青空駐車(野ざらしの場所に駐車すること)は抵抗がある」という方は車庫やカーポートを設置することになるため、設備費用が掛かります。
屋根と柱だけのカーポートであれば設備費用だけで済みますが、屋根と壁で囲まれた車庫は固定資産税が課税されるので注意が必要です。
土地の使い方に悩む
戸建ては自由度が高いため駐車場を柔軟に設計できるというメリットがありますが、その分、敷地内に住居と駐車場をどう配分するかは悩みどころ。家を建ててしまってからでは変更できないため、後悔のないよう慎重に検討する必要があります。
車持ちのマンションのメリット
車持ちがマンションに住むメリットには、下記のようなものが挙げられます。
好立地
マンションの魅力のひとつは、好立地の物件が多いこと。
駅近のマンションなら電車でのお出かけにも便利ですし、駅周辺は店舗も多いため、日々生活するうえでも利便性が高く暮らしやすいでしょう。
車が傷みにくい
地下や立体駐車場など、マンションの駐車場が屋内へ収納されるタイプであれば青空駐車を避けることができ、車を長持ちさせられます。
住居スペースを圧迫しない
マンションの駐車場は住居スペースとは完全に別になるため、駐車場のために住居スペースを犠牲にする必要がありません。
車持ちのマンションのデメリット
車持ちがマンションに住むデメリットは下記のとおりです。
コストが掛かる
マンションの駐車場は賃貸契約がほとんどなので、月額約1万円程度の駐車場が掛かります(地域や物件によって金額は異なります)。
マンションのローンを払い終わっても、固定資産税と共に駐車場代を払い続けることになります。
駐車場の空きがない場合がある
マンションの駐車場数には限りがあるため、駐車場の空きが無い場合も。
マンション購入後に駐車場を契約しようとしても空いていない…という場合は別途月極駐車場を借りなければならなくなってしまうため、必ず事前に確認しましょう。
駐車場と玄関の距離が遠い
マンションは駐車場から玄関までの距離がある場合も多いため、大量の買い物をした時などは荷物を抱えての往復が大変です。
トラブルに巻き込まれる可能性がある
狭い立体駐車場では「車をぶつけられた」「当て逃げされた」といったトラブルに巻き込まれる可能性も。
また、「自分の駐車スペースに知らない車が駐まっている」という迷惑駐車も多く報告されています。
それ以外にも「マンションに住んでいる子供が駐車場でキャッチボールをしていて車を凹ませた」といった近隣住人とのトラブルが起こる可能性も。
車両保険への加入やドライブレコーダーの設置など、トラブルに備えて対策をしておきましょう。
EV車用のコンセントがない場合がある
マンションによっては駐車場にEV車用の充電用コンセントが無かったり、設置数が十分でないこともあります。
マンションにコンセントがない場合、スーパーマーケットやディーラーにある充電スポットへ行って充電しなくてはなりません。
EV車を所有している方は、コンセントが確保できるかどうか、無い場合は設置や増設に対応してもらえるのかの事前確認が必要です。
戸建てとマンション、車の維持費はどちらが安い?
車の維持費には主に以下の6つがあります。
- 保険料(自賠責保険や任意保険など)
- 税金(自動車税、自動車重量税など)
- メンテナンス代(修理・部品交換や車検の整備費など)
- 消耗品費(オイルやバッテリーなど)
- 駐車場代
- ガソリン代
このほか、車をローンで購入した場合は完済までローンの返済も発生します。
それでは、戸建てとマンションで車の維持費に違いがあるのでしょうか。
ここでは「排気量1000cc超~1500cc以下のコンパクトカー」を例に比較してみましょう。
戸建ての車の維持費
車種や地域などによって増減しますが、戸建てで1500ccクラスの車を所有していた場合、年間の維持費内訳は大まかに下記のようになります。
- 自賠責保険料:12,475円/年間
- 任意保険料:85,000円/年間
- 自動車税:30,500円/年間
- 自動車重量税:12,300円/年間
- 整備代(車検):30,000円/年間
- 駐車場代:無料
- ガソリン代:84,000円/年間
- ★維持費合計:254,275円/年間
駐車場代は無料としていますが、車を駐車する土地の代金は住宅ローンや固定資産税に盛り込まれますし、車庫を設置した場合は固定資産税も高くなります。
敷地に十分な広さがなく駐車場を確保できない場合は、別に月極駐車場を借りる必要があります。月極駐車場の平均額は地域によって大きく変わり、特に都市部ではかなり高額なので、痛い出費となってしまいます。
例)
- 東京都 22,592円/月 →
271,104円/年 - 千葉県 11,910円/月 →
142,920円/年 - 兵庫県 9,921円/月 →
119,052円/年 - 愛知県 8,276円/月 →
99,312円/年 - 北海道 8,174円/月 →
98,088円/年
マンションの車の維持費
マンションにおける車の維持費の内訳は下記のようになります。
- 自賠責保険料:12,475円/年間
- 任意保険料:85,000円/年間
- 自動車税:30,500円/年間
- 自動車重量税:12,300円/年間
- 整備代(車検):30,000円/年間
- 駐車場代:120,000円/年間
- ガソリン代:84,000円/年間
- ★維持費合計:374,275円/年間
違いはやはり駐車場代。マンションの場合、駐車場は「賃貸方式」が一般的です。
賃貸方式の駐車場は、毎月の賃貸料金が発生します。つまり、マンションのローンを払い終えても駐車場の料金は発生し続けるのです。
金額は住んでいる物件や地域によって幅がありますが、月額5,000円~3万円程度となっており、特に都市部では駐車場代が高い傾向にあります。
一方、駐車場を購入して利用する「分譲方式」を採用しているマンションもあります。分譲方式で購入した場合、毎月の駐車場代は掛かりませんが、年に1回、駐車場の固定資産税を納める必要があります。
みんなはどっち?車所有者は戸建て派かマンション派か
一般財団法人自動車検査登録情報協会の調査によると「世帯当たりの車保有台数」は1.032台と、ほぼ100%。
ただし、マンション住まいで車を所有している方の割合は20%程度というブログ記事もあり、住まいや地域によって車の所有率には開きがありそうです(戸建てについては所有率調査のデータなし)。
実際に戸建てに住んでいる人とマンションに住んでいる人は、車の所有についてどのように思っているのでしょうか。
戸建て派とマンション派、それぞれの意見を見ていきましょう。
戸建て派の意見
- ローンを払い終わっても駐車場代は永遠に続くことを考えて戸建てにした
- 自宅を出てすぐに車があるのが便利
- たくさん買い物をした時は、戸建てだと駐車場から部屋まですぐ運べるが、マンションだとかなり大変
- 車を複数台所有しているのでマンションだと駐車スペースが無い
戸建て派は、駐車場代が掛からない点や荷物の積み下ろしが楽な点をメリットだと感じている様子。
また、地方だと一世帯の車所有台数が2台以上の場合も多いものですが、マンションでは駐車場の台数が限られていたため、やむなく引っ越しの際に車を手放した…という声もありました。
マンション派の意見
- 駐車場代は掛かるが「立地が良い」「管理が行き届いている」などのメリットが勝っている
- 地下に駐車場があるので雨に濡れずに帰宅・外出できる
マンション派の人は立地や天候の影響を受けない点などに「駐車場代の金額」以上のメリットを感じているようです。このほか、「老後、車に乗らなくなったら気兼ねなく駐車場を解約できる」といった意見も見られました。
戸建てとマンションにはそれぞれメリット・デメリットがあります。駐車場という観点だけでなく、生活するうえでの優先事項を鑑みて総合的に判断していきましょう。
車とマイホームにまつわるQ&A
車を持つ方が家を購入する際に知っておきたいポイントをQ&A形式でまとめました。
家と車、どっちを先に買うべき?
結論としては、「家」を先に購入するのがおすすめです。
住宅ローンを組む場合、車のローンがあると「住宅ローンの借り入れ可能上限額」の制限によって借り入れできる金額が少なくなってしまいますが、住宅ローンがあっても車のローン借り入れ上限額には影響しません。
住宅ローンの審査に通っていると、かえって信頼が増して車のローンが通りやすくなることもあります。
また、マンションの場合は用意された駐車場のサイズは変えられないため、先に車を購入してしまうと駐車場のサイズに合わず、駐車場を契約できない可能性があります。
車と家を両方購入をするなら、まずは家を購入し、住宅ローンの支払い額や確保できる駐車場の面積に見合った車を購入するようにしましょう。
戸建ての駐車スペース、必要な広さは?
駐車場のスペースは、少なくとも所有している車のサイズを確保する必要があります。
一般的に、普通乗用車の駐車場の広さは1台分で幅2.5m×長さ 6.0m(約4.5坪分)、2台分だと倍の約9坪分が必要だといわれていますが、これは最低限必要な面積。
「そんなに広くなくてもいいだろう」とあまり考えずに駐車スペースを決めてしまうと、いざ駐車してみたら広さが足りず、軽自動車が限界…ということにもなりかねません。
駐車場に車が収まらないと車庫証明の取得ができず、車に乗れなくなる可能性すらあります。サイズの大きいミニバンなどは、事前に十分なスペースを確保できるかよく確認しましょう。
逆に、広めの駐車場を設けたのに結局は軽自動車しか駐車しないといった場合は、住居スペースをもっと広くすれば良かったと後悔するかもしれませんので、適切な広さを慎重に検討するようにしてください。
加えて、駐車場のスペースを考える際は「乗り降りに不便のない横幅を確保できるか」という点にも配慮する必要があります。極端に助手席側に寄せて止めないと運転席から降りられない…といった広さだと後々不便さが募りますから、可能であれば余裕をもったスペースを確保しましょう。
また、トランクルームを開ける際に必要な後方スペースの確保も必要です。
優先順位としては、後方スペースよりも乗り降りに関わる横幅を確保することをおすすめします。
マンションの立体駐車場、車のサイズ規定があるって本当?
多くの車を収納できるマンションの立体駐車場ですが、実は駐車可能な車両サイズに統一規格はなく、駐車できる車のサイズ規定は駐車場によって異なります。
立体駐車場を借りる際は事前に管理規約を見て、サイズをよく確認しましょう。特にミニバンやSUVなど車高が高い車は入庫できない場合があるので、注意が必要です。
サイズの規定は、駐車場の種類によっても変わります。マンションの駐車場には主に下記の3つのタイプがあります。
平面駐車場(平置き)
いわゆる平置きの駐車場は、建物などを設置していないため地面にそのまま駐車できます。
高さ制限は設けられていませんが、車幅(横幅)が2メートルを越えるような大型の外車の場合は事前に駐車スペースの横幅を確認しておきましょう。
自走式立体駐車場
自走式立体駐車場は、自分で車を運転して駐車するタイプの立体駐車場。高さ制限があり、駐車場によって天井の高さは異なるため、事前に確認が必要です。
高さ制限の平均は2~2.5m程ですが、1.79m以下のところもあるので要注意。この高さだとミニバンは天井につっかえてしまうので駐車できません。
高さ制限にひっかかってしまうと駐車場が利用できないため、別に駐車場を借りる必要が出てきてしまいます。
機械式立体駐車場
商業施設や都心部のオフィス街によく見られるタイプの立体駐車場。
ドライバーが入り口で車を台車部分にのせてから降車すると、台車が車を上層へ移動させて庫内に収納します。
このタイプは高さ制限が155cmという厳しい条件の場合もあるので、ミニバンなど車高の高い車は入庫できない可能性があります。
駐車場によって多少違いはありますが、一般的には全長5000mm以下・全幅1800mm以下・全高1550mm以下と比較的厳しいサイズ制限があるため、自分の所有している車が駐車可能なサイズか必ず事前に確認しましょう。
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