【最新・15都市別】2018年時点の戸建てとマンションの割合まとめ
マイホーム購入を検討している方にとって、戸建てにするか、マンションにするかは難しい選択です。マイホーム購入は一生に一度とも言える大きな買い物ですから、慎重に検討して決めたいと考えている方が多いでしょう。判断材料の1つとして、昨今の流れも気になるところ。今の日本では戸建て、マンションどちらが選ばれているのか、実際のデータを元に割合を見ていきましょう。
総務省が5年おきに発表している「平成30年住宅・土地統計調査住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」によると、全国の戸建て総数2,594万7,900件、マンションの総数は569万6,200件となっています。戸建て総数はマンション総数のおよそ4.5倍で、圧倒的に戸建てが多い結果です。
次に、主要な都市別の割合を見ていきましょう。
- 札幌の割合…戸建て総数28万件、マンション総数15万2,800件
- 仙台の割合・・・戸建て総数164万9,600件、マンション総数6万3,800件
- さいたま市の割合・・・戸建て総数22万2,600件、マンション総数9万8,500件
- 千葉市の割合・・・戸建て総数15万400件、マンション総数9万6,300件
- 東京都の割合・・・戸建て総数155万2,700件、マンション総数137万5,000件
- 横浜市の割合・・・戸建て総数55万2,000件、マンション総数40万4,200件
- 新潟市の割合・・・戸建て総数18万9,500件、マンション総数40万4,200件
- 名古屋市の割合・・・戸建て総数30万4,400件、マンション総数17万7,800件
- 大阪市の割合・・・戸建て総数26万4,500件、マンション総数25万1,100件
- 京都市の割合・・・戸建て総数27万1,000件、マンション総数8万1,000件
- 神戸市の割合・・・戸建て総数22万9,300件、マンション総数16万7,800件
- 岡山市の割合・・・戸建て総数15万3,400件、マンション総数2万400件
- 広島市の割合・・・戸建て総数18万8,500件、マンション総数8万6,800件
- 福岡市の割合・・・戸建て総数14万5,400件、マンション総数14万1,500件
- 沖縄県の割合・・・戸建て総数18万7,400件、マンション総数5万8,100件
都市によって割合に差はありますが、マンション総数より戸建て総数が多いという結果は同じでした。
戸建てとマンションの割合に関する関連データ
そもそも、マイホームの割合は増えた?減った?
総務省の「平成30年住宅・土地統計調査住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要」によると、全国の総世帯数は55,400万1,000世帯。2013年の調査結果と比べて総世帯数は154万9,000世帯(3.0%)増加しており、マイホームの割合が増えたことを表しています。
マイホームと言えば新築戸建、というイメージの方も多いかもしれませんが、戸建住宅の種類も多様化しています。「分譲戸建住宅」「中古戸建住宅」「建売住宅」といった選択肢が広がっているのも、マイホームの割合が増えたことに繋がっているのでしょう。
高齢者の数とマンション・戸建ての割合の関係
2006年に厚生労働省が発表した「我が国における高齢者の住まい等の状況」から、高齢者と住まいの割合について見てみましょう。高齢者の人口は増加を続けており、2005年に20.1%である高齢化率は、2030年には29.6%に達すると予測されています。
同時に、高齢者がいる世帯、高齢者夫婦のみの世帯も増えており、高齢者世帯のマンション・戸建ての割合は次のようになっています。
- 高齢者のいる世帯・・・戸建て80.0%、マンション16.6%
- 高齢者夫婦世帯・・・戸建て81.3%、マンション15.5%
- 高齢者単身世帯・・・戸建て60.7%、マンション32.7%
世界と日本の戸建ての割合
内閣府が発表した「平成12年度 第5回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果」からは、世界と日本の住宅の割合を見ることができます。
- 日本の割合・・・戸建て住宅89.6%、共同住宅6.4%
- アメリカの割合・・・戸建て住宅65.5%、共同住宅24.1%
- 韓国の割合・・・戸建て住宅64.2%、共同住宅26.7%
- ドイツの割合・・・戸建て住宅43.6%、共同住宅31.4%
- スウェーデンの割合・・・戸建て住宅36.1%、共同住宅54.5%
日本は戸建て住宅の割合が圧倒的に高く、5カ国の中で最も高い結果となっています。
2013年の一戸建て比率
2016年に総務省統計局が発表した「社会生活統計指標―都道府県の指標―2016」から、都道府県ごとの戸建て比率を見てきましょう。全国で見ると、戸建て住宅比率は54.9%、平均は66.0%です。
1位は秋田県の81.0%、2位は山形県の79.8%、3位は富山県の79.7%となっています。逆に49位は東京都の27.8%、48位は大阪府の40.7%、47位は神奈川県の41.6%となっていて、上位の県とかなりの差があるのが分かります。
これから建てたい人はどっち派?
これからマイホーム購入を検討している層にとって、人気があるのは戸建てとマンション、どちらなのでしょうか?
2020年にリクルートが行った「住宅購入・検討者」調査では、「ぜったい一戸建て」「どちらかといえば一戸建て」が60%、「どちらかといえば集合住宅」「ぜったい集合住宅」が25%という結果でした。
この高い戸建て支持には、新型コロナウイルスの流行によるライフスタイルの変化が大きく影響していると解釈できます。
在宅勤務など家にいる時間が増えたことで広い住まいを求めたり、子どものいる家庭では生活音を気にせず生活できる環境を求めたりと、戸建て住宅の人気が高まる結果に。また、マンションより戸建て住宅の方が外部の人との接触を避けやすいという点でも、戸建て住宅は新型コロナウイルス予防に適しているといえるでしょう。
戸建てとマンションのスペック比較
戸建てかマンションかを選ぶには、それぞれのスペックを理解した上で比較することが必要です。価格や維持コストといったコスト面、自由度、防災面から、戸建てとマンションのどちらの方が優れているか見ていきましょう。
コスト面
購入する際の価格について、不動産経済研究所の「首都圏の建売住宅動向」(2019年)を見てみると、新築戸建ての平均価格が5,047万円なのに対し、新築マンションの平均価格は6,055万円となり、新築マンションの方が高い傾向にあることが分かります。
維持費についても、マンションは月額管理費や修繕積立といった費用が毎月かかるのに比べ、戸建てには定期的な出費はほぼ発生しません。土地代を除く部分で見れば、実は戸建てが有利と言えるでしょう。
ただし、ひとくちに戸建といっても、「分譲戸建住宅」「中古戸建住宅」「建売住宅」と選択肢が広がり、価格もさまざま。マンションも「分譲マンション」「中古マンション」と複数の選択肢がありますし、立地条件や仕様によって価格の差もあります。本当にコスパが良い住まいを見極めるには、実際に希望する物件の具体的な価格と条件を比較検討する必要があります。
自由度
自由度について比べてみると、マンションには管理規約や使用細則があり、ペットの飼育、楽器の使用などが制限されることもあります。事務所として住所登記することを禁止するマンションもあるため、フリーランスなど一部の職種の方にとっては不便を感じるケースもあるでしょう。
対して戸建ては、ペットを飼うのも楽器を演奏するのも自由。近所から苦情がこない範囲であれば、生活音を気にする必要がありません。また、事務所登録もでき、塾や習い事を自宅で開業することも可能です。自由度という面では、戸建てがかなり有利であると言えます。
防災面
最後に防災面について見てみると、マンションに多い鉄筋コンクリート造と戸建てに多い木造なら、鉄筋コンクリートの方が防災リスクは低いと言えます。実際、地震被害が多いのもマンションより戸建てです。
住宅地は木造建築が集まっていることが多いため、火災時のもらい火といったリスクも高まります。鉄筋コンクリートが主流のマンションは耐久性にも優れ、耐火性も高く設計されています。災害に対する設備を十分に備えていることが多く、防災面ではマンションが有利だと言えるでしょう。
割合だけでは選べない!結局、マンションと戸建てどっちがいい?
戸建てのメリットとデメリット
戸建てのメリットとして挙げられるのは「音のトラブルが少ない」「管理規約による制限がない」「管理費や修繕積立金の支払いがない」「駐車場の支払いがない」といった点。
デメリットとしては「維持管理のためにまとまった費用が必要になる」「防犯面、防災面がやや脆弱」「大規模マンションのような共用施設がない」といった点が挙げられます。
戸建てには管理費や修繕積立金といった固定費がかかるわけではないので、月の出費は抑えられますが、その分、修繕のための費用を貯めておく必要があります。防犯面・防災面においても、マンションであればある程度整備されている部分を、自分で全て整えなくてはなりません。安心できるだけの設備を整えたことで、費用が嵩んでしまう可能性も加味しておきましょう。
マンションのメリットとデメリット
マンションのメリットとして挙げられる点は、「共用部の管理・清掃を管理会社がしてくれる」「セキュリティ面で安心感が高い」「居住者同士のコミュニティを形成しやすい」といったものになります。
デメリットは「音のトラブルが発生しやすい」「管理費、修繕積立金を毎月支払う必要がある」「駐車場を借りるのにお金がかかる」といった点。毎月決まった費用がかかるものの、防犯面、防災面では安心感が高いのがマンションの大きなメリットだと言えるでしょう。
選び方の基準
戸建て、マンションのメリット・デメリットはそれぞれありますが、選ぶ基準は購入者によって変わります。何を重視するかはライフスタイルや家族構成によって異なるので、まずはご自身が何を重視したいのかを見極めることが第一歩です。
選び方の基準として「コスト面」「設備面」「生活面」「性能面」があります。
「コスト面」は数十年住み続けることを前提に、購入金額と維持費を合わせて考えましょう。
「設備面」も数十年住み続けることを前提に検討を。耐震設備や防犯設備など、安心して住み続けることができるかどうかを慎重に検分しましょう。
「生活面」は周囲の環境、交通の便など、生活しやすい環境かどうかも含め、実際に生活することを想定して比較します。お子さんがいる場合、お子さんが成長することで変化する生活も想像してみましょう。
「性能面」で気になるのが耐震性。戸建てよりマンションの方が耐震性に優れていると言われますが、戸建て住宅も関東大震災・熊本地震を受けて耐震基準が高くなっています。長期優良住宅の基準にもなっているので、耐震性を含む性能の高い住宅を望む方は検討されるとよいでしょう。