南向きの戸建ての特徴
南向きの戸建ては日当たりが良いと言われ人気がありますが、具体的にはどのような特徴があるのでしょうか?
南向きの戸建てのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
「南向き」とは
一般的に「南向き」とは敷地の南側に道路があることで、「南玄関」ともいわれます。日の光が良く当たるため、南向きの家は明るく暖かいと旧来から人気があります。
北半球にある日本では、太陽は東から昇り南の空を通って西に沈みます。太陽の光は常に南側から射すことになるので、南向きの家は太陽が当たる時間が長くなるのです。
また、太陽の角度に違いはあるものの、季節を問わず一年を通して家の中に光が入ります。
南向きの家は日中に太陽の光を取り入れた生活ができるので、在宅時間が長い専業主婦やテレワークの方、小さなお子さんがいるご家庭におすすめです。
南向きの戸建てのメリット
南向きの戸建てのいちばんのメリットは「日当たりの良さ」。
南側が道路になるため、隣接する家に日の光を遮られることがありません。採光が良い位置に大きな窓をつくれば、太陽の光をめいっぱい取り入れることができるでしょう。南側にバルコニーや物干し部屋を作れば、洗濯物も良く乾きます。
日の当たる時間が長い南向きの戸建ては室内が暖まりやすく、寒い冬でも暖かく過ごすことができるので、冬場の暖房代を抑えることができます。日中は光が沢山入るため照明の使用が減り、電気代の節約にもなります。
南向きの家はコストパフォーマンスが良く、日の光を感じながら生活できるのが良いところです。
南向きの戸建てのデメリット
日の光が差し込む南向きの家は、その日当たりの良さゆえフローリングや家具が痛みやすいというデメリットがあります。
直射日光を避けるため、庇を取り付けて日の入り方を調整したり、遮光カーテンをつけたりといった日差し対策をする必要があります。さらに、夏場は室温が上がりやすいため、冷房費が嵩む可能性もあります。
南向きの戸建ては道路が南側であることも注意ポイント。
必然的に駐車スペースも南側になるので、太陽の光をたくさん取り入れたいと南側にリビングを作った場合は、車で日光が遮られることがないよう工夫をする必要があります。
南向き以外の戸建ての特徴
南向き以外の戸建てにはどのような特徴があるのでしょうか?
方角ごとのメリット・デメリットを解説します。
北向きの戸建て
一般的に日当たりが良くないとされる北向きの戸建てですが、その日当たりの悪さがメリットでもあります。
北向きの家は直射日光が家の中に差し込むことがないので床や家具が色褪せしにくく、遮光カーテンや庇などの日差し対策をする必要がないため設備費用を抑えることができます。
また、北側が道路になる家=北向き玄関なので、南側にリビングやダイニングを広く確保することが可能。南に配置したリビングに大きな窓を設置したり庭を作っても、道路は北側にあるので視線を気にする必要がなく、プライバシーを守った家づくりができます。
一方、北向き戸建てのデメリットは、一年を通して日当たりが良くないこと。日が当たらず影になる場所は湿度が高くなりがちで、カビや苔などが生えやすいため注意が必要です。夏場涼しく過ごせるのは良いところですが、冬場は冷えるため暖房代が高くなることも。
しかし、日当たり条件の悪い北向きの土地は比較的安く購入できるので、日中仕事などで家を留守にしていて日当たりが気にならず、できるだけ安く家を建てたいという方にはおすすめといえます。
東向きの戸建て
太陽は東側から昇るので、日の出から明るさを感じられるのが東向きの戸建てのメリット。東側に寝室があれば、朝は太陽の光を浴びて気持ちよく目覚めることができます。
日の光を浴びて目覚めると体内の睡眠リズムが整うといわれているため、良質な睡眠を取りたい方や、朝から活動的に過ごしたい方にピッタリ。朝日を浴びることで生活リズムが整うので、子ども部屋にもおすすめです。
東向きの部屋は午後からは日が当たらなくなるので、夏涼しく過ごせるのは良いところですが、冬の午後は家の中が寒くなるのがデメリット。
日当たりが良いのは午前の早い時間だけなので、洗濯物は早い時間から干さないと乾きにくくなります。洗濯の頻度が高いご家庭は、日が当たる時間や場所を事前に調べておきましょう。
朝日を感じられる東向きの戸建ですが、夜勤の方や、朝はゆっくり寝ていたいという方には不向きかもしれません。
朝の眩しい光が気になるのであれば、寝室を東側以外の部屋にしたり遮光カーテンを設置するなどの光対策が必要です。
西向きの戸建て
西向きの戸建ては東向きと反対で、朝日が差し込まず午後の日当たりが良いという特徴があります。
午後から夕方にかけて日が差し込むため、夜になっても家の中が暖かい状態を保ちやすく、冬の寒い時期には暖房代を節約できるという点もメリットです。
夕方の薄暗い時間になっても家の中に光が入るため、照明の使用が少なく済むのも良いところ。朝日が入らないので、朝早く起きない方や夜型のライフスタイルの方におすすめです。
午後の日当たりが良い西向きの戸建てですが、夏は西日で室温が高くなるというデメリットがあります。
夏の西日はとても強く暑いため、日差し対策は必須。遮熱効果のある窓ガラスを使用したり、遮熱カーテンをつけたりと暑さ対策をしましょう。
反対に冬の午後は暖かくなりますが、朝は日が当たらず寒いため、朝方から暖房器具を使用する必要があるかもしれません。
東南向き(巽向き)の戸建て
真南や真東を向く戸建ては太陽の光が四角の家の一面にしか当たらないのに対し、東南向きの家は常に日の光が二面に当たります。そのため日が入らない部屋はなく、家全体の採光率が良い住まいになるでしょう。
南向きの家だと北側の部屋が日陰になってしまうというデメリットがありますが、東南向きの戸建てなら北側にも日が当たります。
東南向きの戸建ては、東からの朝日を浴びることができるうえ南からの光も取り入れることができる、南向きと東向きのいいとこ取りの家ということになります。
一年を通して暖かいのはメリットですが、フローリングや家具が日焼けしやすいデメリットがあり、日差し対策が必要です。
夏場の西日にも注意が必要。部屋が暑くならないよう、光が差し込む方角に窓を設置しない間取りを考えたり、窓を作る場合には遮熱をして暑さ対策をしたりしましょう。
南向きだけじゃない、「日当たりのいい家」のポイント
南向き以外の戸建てでも、周囲の環境や間取りによって「日当たりのいい家」になります。
日当たりのチェック方法と、日当たりが悪い場合の改善策を見ていきましょう。
日当たりのチェック方法
一般的に日当たりが良い家とは、南側に道路がある家や、南側が開けていて南から太陽の日を確保できる家のこと。このような家を選ぶためには、計画・内見時に太陽の光を予測することが大切です。実際に朝・昼・夜で日光がどのように変化するのか確認するようにしましょう。
季節によって日射角度が違うため、夏と冬の太陽の位置を把握することも重要です。
周辺環境のチェックも忘れてはいけないポイント。周りに高層建築物がないか、隣接する家の陰にならないか、忘れずに確認しましょう。
日当たりのチェックには、季節や時間帯によって家の日当たりがどのように変化するかをシミュレーションしてくれる日照シミュレーションを活用するのも良い方法。無料でインストールできるソフトや比較的安価でプロがシミュレーションしてくれるサービスなどがあり、周辺の建物の状況をふまえて季節ごとの日の当たり方を確認できるため、失敗しない家づくりの一助となるでしょう。
日当たりが悪い場合の改善策
建物の陰になって日が当たらないという場合は、2階や3階にリビングを作ると、プライバシーを守りながら日の光を取り入れることができます。
窓の数や大きさ、位置を変えるのもおすすめ。天井付近の壁に高窓を設置すれば高い位置から日の光が入るため、部屋の奥まで明るくなります。吹き抜けのあるリビングを作って天窓から光を取り入れれば、壁面の窓に比べて約3倍の光を取り入れることが可能です。
暗い部屋を明るくするためには、照明選びも大切。明るい色のLED照明を使用すれば部屋の中がパッと明るくなり、家全体の印象が変わります。
日当たりが良い家にもメリットとデメリットが
日当たりが良い家のメリットはもちろん「太陽の光を感じながら生活できる」ということ。朝は日の光を浴びて起き、昼間は光が沢山入る部屋で日向ぼっこもできます。
日の光を浴びると骨を丈夫にする「ビタミンD」が体内で作られ、ストレスが軽減される「セロトニン」が分泌されるため、体に良く健康的です。
デメリットは「室内の温度が高くなりやすい」というところ。冬場は暖かいですが夏場は暑くなるので、ペットを飼っている方は要注意。遮熱対策は必須です。
冷房を使う頻度も多くなるため、夏場の電気代が高くなる可能性もあるでしょう。