戸建ての土地の広さをあらわす単位は?
土地の広さを表す単位には、坪・畳・平米(m²)などがあります。それぞれの単位について、どういった場合に用いられるのか、どのぐらいの広さを指すのかをまとめました。
畳
畳は部屋の広さなどを表すときに使われる単位。1畳は畳1枚分の広さになります。不動産業界では、1畳=約16.2平米(m²)とされています。
平米(m²)
平米(m²)も畳と同様に、部屋の広さなどを表すときに使われる単位。1平米(m²)は1m×1mの面積を表します。
1平米と聞いたら、1辺が1mの正方形を思い描くといいでしょう。
坪
土地の広さを示す単位として多く使われるのが「坪」。
1坪は1辺が6尺(1間(けん))=約1.8182mの正方形の面積で、平米にすると約3.31㎡。畳2枚分の広さとなります。
広さをそれぞれで表すと…?
同じ広さを畳・平米・坪に換算すると、以下のようになります。
6畳=9.72平米(m²)=役3坪
8畳=12.96平米(m²)=約4坪
10畳=16.20平米(m²)=約5坪
戸建ての土地、平均的な広さとは
戸建てを建てる場合はどれくらいの広さの土地が必要なのでしょうか。平均的な広さや面積に関する用語などをまとめました。
戸建ての平均面積・坪数
戸建ての全国的な平均面積・坪数は、注文住宅の場合126.8平米(m²)=約38坪、建売住宅の場合は100.8平米(m²)=約30坪といわれています。
平均的な30~40坪の広さに建てる戸建ての間取りは、2階建て4LDKが多いようです。
延床面積と敷地面積の違いに着目
戸建ての面積を示す言葉として、「建物面積」「延べ床面積」「敷地面積」「施工面積」といった用語を目にします。それぞれどの範囲の面積を指すのか、違いについてお教えしましょう。
- 建築面積
- 建築面積とは、建物を上から見たときの面積。
2階建てなどの場合、1階と2階を比べて広い方を建築面積とします。ほとんどの戸建ては1階の面積の方が大きいので、基本的には「建築面積=1階の総面積」を指すと考えて良いでしょう。
各部屋の広さだけだはなく、柱や壁なども面積として計算するのが建築面積の特徴。そのため、建築面積=居住スペースの広さとはなりません。
建築面積の基準が必要な理由は、「建ぺい率」を計算するため。日本では土地ごとに「建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)」が指定されており、エリアや用途によって30%~60%と割合が変わります。設計の段階で建築面積を計算し、規定に収まっているか確認する必要があるのです。 - 延べ床面積
- 延べ床面積は壁や柱で囲まれた各空間の床面積を指し、居住スペースの広さを表す数値。建物面積という言葉で言い換えられる場合もありますが、どちらも同じ意味です。
2階建ての延べ床面積は、1階2階の床面積の合計となります。ロフトやベランダ・バルコニー、玄関ポーチなどの壁に囲まれていない部分は延べ床面積に含まれません。 - 敷地面積
- 敷地面積とは、土地全体の面積のこと。土地面積と言い換える場合もあります。
土地を上から見たとき(俯瞰図)の面積で計算するため、斜面や高低差がある部分の面積などは正確には算出されず、実際の土地の広さよりも小さい数値となる場合があります。 - 施工面積
- 施工面積は、戸建て住宅を建てた際に施行した部分、建築工事費が掛かった全ての面積を指します。
延床面積との違いは、バルコニーやロフト、玄関ポーチなど建物の全てが含まれるという点。そのため、施工面積は延床面積より数値が大きくなります。
後悔しない土地の広さって…?
キッチン・リビングなどの各スペースに求める広さ、庭の広さなど、同じ家族構成であってもマイホームに求める広さは人それぞれです。
国土交通省は「世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活の基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準」としての【最低居住面積水準】と「世帯人数に応じて、豊かな住生活の実現の前提として、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる水準」としての【誘導居住面積水準】を定めていますので、それを目安にするのもよいでしょう。
後悔しない土地の広さって?
家族構成別に適した広さと間取りを紹介します。
3人家族に適した広さと間取り
国土交通省が掲げる「住生活基本計画(全国計画)」によると、最低居住面積水準と誘導居住面積水準はそれぞれ以下のように算出されます。
-
- <最低居住面積水準>
- 単身者…25m²
2人以上の世帯…10m2×世帯人数+10m2
-
- <誘導居住面積水準>
- 一般型誘導居住面積水準
単身者…55m²
2人以上の世帯…25m²×世帯人数+25m²都市居住型誘導居住面積水準
単身者…40m2
2人以上の世帯…20m²×世帯人数+15m²
これを3人家族に当てはめると、最低居住面積水準は40平米(m²)=約12.1坪、誘導居住面積水準は100平米(m²)約30.3坪となり、最低限必要な広さと豊かな生活が送れるとされる広さにはかなりの乖離があることが分かります。
誘導居住面積水準の30坪は、間取りにすると3LDK~4LDK。3人家族で戸建てを検討する際は、このぐらいが後悔しない広さといえるのではないでしょうか。
4人家族に適した広さと間取り
最低居住面積水準と誘導居住面積水準を4人家族で算出すると、最低居住面積水準は50平米(m²)=約15.1坪、誘導居住面積水準は125平米(m²)=約37.8坪。
誘導居住面積水準の約38坪は、間取りにすると3LDK~4LDKになります。
30坪から40坪の費用相場
誘導居住面積水準から鑑みると、3人~4人家族の戸建てには30坪から40坪程度の広さが適しているといえます。
これを裏付けるのが、戸建ての全国平均値。広さは約38坪となっており、4人家族の誘導居住面積水準と一致しています。
坪単価の全国平均は93万円ですから、38坪で換算すると3,534万円。これが、土地を含まない戸建ての平均相場になります。
土地の広さごとに適した間取りを紹介
続いては、坪数ごとに適した間取りをご紹介します。
30坪に適した間取り
30坪に適した間取りは、3LDKや4LDKが多いようです。
例)
- 1階:リビングダイニングキッチン17畳、トイレ、洗面脱衣室、ユニットバス(1坪タイプ)、パントリー収納(2畳)
- 2階:洋室8畳、洋室6畳、洋室4.5畳、ウォークインクローゼット(2畳)など
35坪に適した間取り
35坪になると、4LDK以上の間取りが殆どとなります。
例)
- 1階:リビングダイニング16.77畳、洗面脱衣室、浴室、納戸、玄関、玄関横収納あり
- 2階:洋室8.62畳、洋室5.67畳、洋室5.37畳(各部屋にクローゼットあり)、バルコニー、トイレ
40坪に適した間取り
40坪となると、ウッドデッキや趣味のスペースが作れるなど、間取りの自由度が高まります。
例)
- 1階:リビングダイニング17畳、キッチン4畳、洋室5畳、洗面脱衣室、浴室、食品庫、玄関、トイレ、ウッドデッキ
- 2階:洋室8畳、ウォークインクローゼット3畳、洋室5畳、洋室4畳、リビングダイニングから吹抜け
50坪に適した間取り
50坪ともなれば、さらにゆとりをもった間取りが可能。収納スペースをたっぷり取りつつ、家族ごとの個室も設けられる広さです。
例)
- 1階:リビングダイニング23畳、和室4畳、洗面脱衣室、浴室、玄関、シューズクローク、階段前にホールあり、トイレ
- 2階:洋室10畳(ウォークインクローゼットあり)、洋室4.5畳、洋室4.5畳、洋室4.5畳(各部屋クローゼットあり)、バルコニー
60坪に適した間取り
60坪なら、庭や駐車スペースを広く取りつつ、室内に収納スペースやテレワークスペースなども取り入れることができます。
例)
- 1階:ガレージ(2台分)作業場、ダイニング5.98畳、リビング8.5畳、キッチン4.68畳、ワークスペース兼客間6.13畳、パントリー収納、玄関、トイレ
- 2階:洋室10.39畳(ウォークインクローゼットあり)、洋室6.13畳(ウォークインクローゼットあり)、洋室6.13畳(クローゼットあり)、ルーフバルコニー、浴室、洗面所、トイレ
ニーズごとに適した土地の広さ
広い庭が欲しいなら
戸建て住宅は、建物、駐車場や物置など以外のスペースが庭となります。
庭でバーベキューなどを楽しみたいなら、約3坪(10平米)以上の広さが理想的。ガーデニングや家庭菜園などを楽しみたいなら、日当たりも考慮する必要があります。
家と庭の配置についても工夫次第。玄関前に庭を作り植物などを植えると家全体が明るい印象になりますし、家に入るまでの距離があるため泥棒対策にもなりますよ。
ドッグランを設けたいなら
ドッグランに必要な広さは、犬の種類や大きさによって異なります。
体重が10キロ未満の小型犬の場合は100平米(m²)=約30坪。大型犬の場合は500平米(m²)=約150坪以上の広さが理想的です。
ドッグランを設けるには一定以上の広さが必要となるため、家の周りに沿ってドッグランを作るなど、住居や庭に影響がない配置を検討してみましょう。
また、ドッグランの地面に敷く素材やフェンスといった周辺設備についても考える必要があります。
2台分の駐車場を確保するなら
2台分の車の駐車場を確保するのに必要なスペースは約33平米(m²)約10坪、理想的な土地の広さは150平米(m²)といわれます。道路に接する間口は8.5m以上あると車庫からの出し入れがスムーズ。
そこまで広さを確保できない場合は、住宅の一部に駐車場を組み込んだインナーガレージにするなどして駐車場のスペースを確保しましょう。